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あれから16日後 [出産]

早いもので、どこからともなく流れてきた脚の折れた黒猫が我が家に辿り着いてから半年に
なる。

別に猫が好きなわけでもなく、動物を飼えるような環境でもなかった我が家に、猫が1匹と
子猫が4匹も同居することになるとは半年前には夢にも思わなかった。
人生って本当に何が起こるかわからないものだ。



息子の布団の中で5匹の子猫を豪快に出産したニャアコだが、さすがに布団の中で育てさせる
わけにはいかんだろということで、産んだその日に,あらかじめ作っておいた例の箱に子猫全員
を移しかえたのだが、何とちょっと目を離した隙に1匹ずつ口に咥えて全員布団の中に戻してしま
っていた。

黒い猫が黒い子猫を咥えて歩いている・・・

まさに「リアル・クロネコ宅急便」だ。

その後、何回も一家の移住を試みたが、その度にご丁寧にニャアコが息子の布団へと連れ帰り、
結局初日から現在まで一枚の布団の4分の3は息子で残り4分の1はニャアコ親子でシェアして
いる。

2週間あまり過ぎて子猫たちも全員、目が開いてますます可愛くなってきたが、全部クロばっかり
なのでまだ区別がつかない。
更に、ちょっとでも子猫の様子を見ようとするとニャアコが飛んできて、子供を守ろうと手で隠して
しまうのだ。
やっぱり、さすが母親だなと感心する。





ニャアコとの出会いから現在までを綴っている「手の折れた招き猫」だが、去年の秋の終わりに
家の中で飼い始めた話のところで中断してしまったが、出産の特別編も一段落したので、次回
からまた我が家での出来事を書いていこうと思う。

写真が貼れるようになったので、もうちょっとしたら別のブログで写真つきで子猫たちの成長を
残していきたいと考えてます。

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あれから15日後 [出産]

ニャアコが出産してから2週間あまりが過ぎた。

生れた5匹、全員無事に育てたいと思って寒さ対策など頑張ってきたつもりだが、残念ながら1週間たたない
うちに1匹亡くなってしまった。

何が原因だったのか、ある朝起きて様子を見に行ったとき、その子だけが亡くなっていてショックだった。



残りの4匹は今も元気で、ニャアコも不自由な片手をカバーしながら子育て奮闘中だ。
ニャアコの出産に否定的だった妻も、さすがに産まれてすぐ亡くなってしまった子猫が不憫だったのか、
何かと協力的に面倒を見てくれるようになった。


猛烈に寒かった冬ももうすぐ終わる。

亡くなった子の分までニャアコ親子に愛情を注いで、我が家も希望の春を迎えれたらと思う。

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特別編「ニャアコの出産前夜・後編その3」 [出産]

そうこうしてるうちに2月も3週目を迎えた。

恐ろしいことにニャアコの腹は更にデカくなっていた。今週中に産まれなかったら病院に連れて行こう。

出産が近づくと猫はより安全なお産スペースを探してウロウロするらしいが、このところニャアコも今まで入った
ことのない押入れの奥や普段行かない部屋の隅っこのほうに出没したりした。
前回のお産用の箱は、いきみ心地が悪かったのか何故か二度と近づこうとしなかった、せっかく作ったので
この箱で産んでもらわないと困るのだが、ひょっとして生まれてくる子供の数に対して箱が小さすぎるということなのか・・・

もうひとつ変化があった。夜、息子の布団に潜って寝るようになったのだ。
と言っても足のほうの余ってるスペースを確保するのだが、息子はまだ小学生なので場所的には充分余裕が
あった。

「まさか、ここでは産まんよなあ・・・」

嫌な予感が頭をよぎったが、なんだかんだいいながらきっと産むときは、あの箱の中に行くに違いない。

2月16日の夜。ニャアコは歩くのもしんどそうだった。
そろそろ寝ようとしてるとダルそうな足取りで近づいてきたので、撫でてやると頭をゴンゴンとぶつけてきた。
額を押し付けてグリグリしてやるとそのまま横になろうとしたので、一緒に寝転んで腕枕をしながら擦って
やると気持ちよさそうにそのまま寝てしまった。よほどしんどいのだろうか。

ニャアコがウチで暮らし始めて3ヶ月が経つが、まだまだ心を許してないのか無防備に熟睡している姿は、
ほとんど見たことがない。しかしこの時のニャアコはしんどかったとはいえ、腕枕に委ねきって安心して
眠っていた。今までで一番かわいい姿だった。おそらくこの先、一生忘れることのない幸せな時間だった。

子供たちが風呂から出てきた騒がしさで至福の時は一瞬にして終わりを告げニャアコは息子の布団へと
帰っていった。

「はぁ・・・明日も仕事か・・・」あっという間に現実に引き戻され私も寝ることにした。

2月17日、朝4時30分頃、仕事に行くためそろそろ起きようかと目覚めかけた時、隣の部屋から
「ニーニー」「ミーミー」「ニャーニャー」
という、ニャアコの声と小動物の鳴き声らしき音が聞こえた。

「チッ、ねずみか・・・」と思ったが、どうも違うようだ。朦朧とした意識が徐々にはっきりしていく。

「あ!」飛び起きて子供たちが寝ている隣の部屋へ駆け込みケータイの明かりで声の主を照らした。

ニャアコと小さな赤ちゃんたちだった。
よかった。無事に出産したようだ。・・・・・・・・息子の布団の中で。

特別編「ニャアコの出産前夜・後編その2」 [出産]

思わぬ形で肩透かしを喰らってしまい、気を取り直して「ひょっとしたら明日産まれるかも」、と翌日からの
出産に備えたが、次の日も次の日もそのような気配は感じられず、だんだん不安になってきた。

まさかお腹のなかで胎児が既に亡くなってるんじゃないかと思ったり、猫にも想像妊娠があるなどと聞くと、
ますます心配になって、以前一度だけ行ったことのある動物病院に聞いてみることにした。

いろいろと親切に教えて下さり、レントゲンを撮ってみればすぐにわかるということで、今すぐにでも来てもらって
大丈夫ですよとまで言って下さったのだが、レントゲンと診察で4000円近くかかるので、恥ずかしながら
「すみません、もうちょっと様子見て、具合が悪そうだったら連れて行かせてもらいます」となってしまった。
(現在の我が家の4000円は一般家庭の20000円~30000円くらい)

しかしながら本当に調子が悪そうなら、お金に関係なくすぐに診てもらいにいくのだが、本人は相変わらず
快食・快便で、体が重くて大変そうなこと以外はいたって元気だった。
もう1週間だけ様子をみて来週産まれなかったら診てもらうことに決めた。


「・・・で、お父さん、ニャアコの子供産まれたらどうすんの?5~6匹も産まれたら絶対ウチで飼えないよ」

「何とかなるやろ」

「ならないよ!ぜ~~ったい無理だって、わたしゃ知らんからね!」

昔、猫を数匹飼っていたという妻と、亀やインコしか飼ったことがない私との間でここ数日このような言い合いが
毎日のように繰り返されていた。
世話の大変さを知っている妻の言ってる事は理解出来るのだが、もうここまで来たら協力してもらうしかない。



まさか本当に子供が出来るとは思ってもみなかったが、去年、せっかく生れた子供たちとの辛い別れ以来、
実はもう一度ニャアコを母親にさせてあげたいとずっと考えていた。

この先、どんなにウチで天寿をまっとうさせたげたいと大切に飼ったとしても、元ノラのニャアコが一瞬のスキに
家を飛び出して、そのまま無事に帰ってこれなくなる日が、ひょっとしたら来ないとも限らない。
脚が折れたり放浪したり、子供と別れたりしながらも今まで生き延びて頑張ってきた、ニャアコという猫が
この世に生きていたという証を子供という形で残せてあげれたら・・・
感傷的だとか自己満足だとはわかっているけど無事に産まれたらウチの家族として大切に育てよう。

(まだ、つづく・・・次回、産まれます・・たぶん)


特別編「ニャアコの出産前夜・後編その1」 [出産]

その日の朝は、特に寒かった。

ニャアコがちゃんと箱に入って出産しようとしてる姿に感動したが、よほど寒かったのか可哀想に鼻水が
出ていた。

ん~ん~と、いきんでいるようにも見えたが産まれてきそうな気配がなかった。
そうこうしてるうちに出勤時間がきてしまった、何とか見守ってやりたかったが
「無事に産まれたら連絡してくれ」と、妻に言い残し泣く泣く出勤した。

いつ連絡が来るかと気が気でなかったが、妻が出勤するまで間に合わなかったのか午前中には連絡は来ず
外には雪が降り始めていた。まずい。家の中は相当寒いぞ。

午後12時になり昼休憩と同時に家に飛んで帰った。どうか無事に産まれて風邪ひいてませんように。
祈るような気持ちで家の戸をガラガラと開けた。

「ニャアコー帰ったぞー!」

靴を脱ぎながら耳をすましたが、子猫の鳴き声らしきものは聞こえなかった。

・・・まさか・・・

と思った時、目の前の廊下をニャアコが悠々と横切っていった。

「あら?ニャアコ、子供は?」

部屋に入って恐る恐る箱の中を覗いて見たが空っぽだった。
あらためてニャアコを見てみると、腹がデカいままだ。

どうも状況から察するに結局まだ産まれてないという事らしい、朝のあの産気づいた姿は何だったのか・・・

残念なような、どこかホっとしたような複雑な気持ちで、持って帰ってきた弁当を我が家で食べた。
これからまた職場に帰って夜まで仕事するのかと思うと、どっと疲れが出たが、当のニャアコは人の気も
知らず呑気に寝そべっていた。



外の雪はどんどん積もっていっていた。


(もうちょっとつづく)

特別編「ニャアコの出産前夜・中編」 [出産]

2月も最初の週が終わる頃にはニャアコの腹は相当、大きくなっていた。

気になって本やネットで猫の妊娠時の状況について調べたら、見事なくらいに一致していた。
しかも、しんどそうにしてる割には毎日、快食・快便だったので病気でもなさそうだ。

ただ問題なのは、いつ仕込まれていつ生れるのかがわからないということだった。
妊娠から出産までの期間の目安は約60日、ということは11月ではないことだけは確実だ。

しかしニャアコは去年10月に一度出産している、仮に12月に交尾したとして、わずか2ヶ月ですぐ妊娠する
ものなんだろうか?(もっとも直接、出産を見たわけでないので断言はできないが・・・)
ただ、心当たりがあるとすれば一度だけ12月にウチから脱走して帰って来ない時があった。
きっとその時に違いない。

2月の2週目に入ると腹が更に大きくなってきた。

前回はこんなにデカかっただろうかと思うくらい腹だけが巨大化していた。
そして歩くのも大変そうで、疲れるのか顔を床に直接つけて寝てることも度々で見ていて気の毒だった。

さすがにいつ生れてもおかしくないような雰囲気になってきたので、出産時のお産スペースをつくることにした。

近所のディスカウントショップから大きめのダンボール箱をもらってきて、家にあった要らない毛布を下に敷いて
出産に備え、ニャアコを何回も中に入れて「ここで産むんだぞ」と言い聞かせた。

ニャアコは何故か布団に潜って寝るということをしない猫だった。
どんなに寒くても子供が寝ている布団の掛け布団の上で丸まって寝るのだ。

そしてついにある日の朝、起きてみるとニャアコがお産用の箱に入って何やら唸っているではないか、
「産まれるのか!?」

(つづく)

特別編「ニャアコの出産前夜・前編」 [出産]

昨年9月はじめの台風が去ったあと、1匹の前脚の折れた黒猫が我が家の敷地の植え込みの中で
今にも死にそうに蹲っていた、それがハチとの出会いであった。
多分駄目だろうという予想に反し、ハチは日に日に元気になっていった。
さまざまな紆余曲折の末、10月の終わりに家で飼うことに決め、11月の半ばには名前も「ハチ」から「ニャアコ」
へと変わり、我が家の愛すべき居候として新しい年を迎えたのだった。

そんなニャアコの異変に気づいたのは、年が明けてすぐだった。
最初は「ちょっと太ったかな」という感じだった。
12月に入ってめっきり寒くなり、クリスマスには雪も降ったということもあって外に出る頻度も少なくなって
寝てばっかりの運動不足で太ったのだろうかと思っていたが、1月も終わる頃には「寝てる」というよりも
「グタっとしてる」という表現がピッタリくるようになり、2月になると腹がどんどんでかくなって乳首が妙に張って
きだした。

妊娠だろコレ・・・

と言うかこれだけの状況で妊娠でないほうが逆に心配になるくらい、見事なまでに合致していた。

う~ん、いつの間に・・・

(中編につづく)