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ネタばれ注意「ヒグチユウコ・ニャンコシリーズ」(前編) [オススメ]

「おいかけなくて いいのかい?」 
えだにとまった カラスが
こえをかけてきました。
「いいんだ。
 ねこには おうちができたんだよ」


「ふたりのねこ」より


9月も半ばになり、季節は完全に秋へと移り変わりました
が、今年は台風ばかりでなかなか秋の爽やかさをまだ
実感出来てません。きっとこれから色んな意味での収穫の
時を迎え、1年の締めくくりへと近づいてゆくんでしょう
ね。

今回ご紹介するのは、ヒグチユウコさんの絵本
「ふたりのねこ」と「せかいいいちのねこ」
名付けてニャンコシリーズです。

まあ、こんな毎回数人の奇特な方しか読んでないような
ブログでわざわざ紹介しなくても、今やヒグチユウコ
さんと言えば、本好き人間・猫好き人間のみならず
知らない人なんていないくらいの作家さんなんですけど
ね(笑)

「え?聞いたことないで」という方もこういう感じの
イラストは、きっとどこかで目にしてるはずですヨ ↓

2016-09-18_08.46.10.jpg

なんか、一度見たら忘れられない雰囲気ですよね。
この猫の表情、単なるリアルでもなく、かといって
マンガっぽくもなく、ヒグチユウコという作家しか
描けない独特の世界だなあと感動します。

何が凄いって、猫だけじゃなく犬も、鳥も、植物も
女の子も何を描いても独特の世界観で、何だか現代の
「鳥獣戯画」みたいな印象です。

で、ここからはヒグチさんが描いた猫の絵本
「ふたりのねこ」と「せかいいいちのねこ」の
ネタばれありの紹介です。
例によって大したことも書いてないのに結末だけは
ドサクサに紛れてバラしてしまってるという、非常に
悪質な記事になってますので、まだ実際に御覧に
なってない方は、遠慮なくここで引き返して下さい
ませ。

今ならまだ間に合うぞー (^◇^)

2016-09-18_11.06.48.jpg

この2作、主人公は ぬいぐるみの「ニャンコ」
なので勝手にニャンコシリーズと名付けてます。

「ふたりのねこ」は、ニャンコが家で一緒に暮らしてる
大好きな「ぼっちゃん」が、うっかり忘れて帰ったのか
それとも落としてしまったのか、一人ぼっちで公園に
残されたニャンコと、この公園に住む「ねこ」との
出会いと別れが描かれています。

何とかして大好きな ぼっちゃんの待つ家へ帰りたい
けど、帰り道の見当もつかず途方に暮れるニャンコを
かつて、小さい頃に兄弟と共に飼い主に捨てられ
この公園で酷い目に遭いながら生き抜いてきた孤独な
「ねこ」が慰め、励ましながら一緒に帰り道への
手がかりを探してくれます。


「にんげんは、ほんとうは ひどい 生きもの
 なの」

「ねえ、もしぼっちゃんが、あんたのことを
 さがしてなかったら どうするの?」

自分がどれだけ人間の子供に愛されているかを語り、
帰り道を探し続けるニャンコに、かつて人間に捨て
られ、酷い目に遭ってきた「ねこ」が問いかけます。
しかしニャンコは、ぼっちゃんがくれた宝物の
アンモナイトの化石を見せて、人間がみんな酷い
わけじゃない、ぼっちゃんもきっと自分を探して
くれてる、と「ねこ」に応えます。

それでもなかなか手がかりが見つからず、不安で
涙を流すニャンコを優しく抱きしめる「ねこ」
この時、ニャンコは家に帰れたら「ねこ」も一緒に
来てくれないだろうかと思い、「ねこ」もこのまま
ニャンコと一緒に暮らせないだろうかと願うのでした。

お互いを「家族」として意識し始めた時、突然
別れがやってきます。

病気になってしまった「ねこ」を助けるために
顔見知りの犬に、宝物のアンモナイトの化石を惜しみ
なく差出し、犬が呼んで来た「優しそうな飼い主」に
「ねこ」の命を託して涙ながらに見送るニャンコ。

果たしてこの後どうなるのか・・・

は、描かれてません。

ニャンコは無事に家に戻ることが出来ましたが、
「ねこ」のその後は読者の想像に委ねられ、物語は
あの短い夏の日々、ふたりは確かに家族だった
という、おそらく少し大人になったニャンコの切ない
語りで幕を閉じます。


私は基本的にはわざとらしいハッピーエンドで終わる
物語は好きじゃなくて、こういった余韻を残して
その後を想像させる話ばっかり好んで読んでるんです
が、これを最初読んだ時はさすがに「え~~!?」って
なりましたね。
ちゃんと「ねこ」が幸せになったとこまで描き切って
くれや~、と。

何でガラにもなく「ねこ」が幸せになった結末まで
描いてほしかったと思ったんかなあと考えたんですが
この「ねこ」・・・昔、近所にこんな感じの女の子が
居たような記憶があるんですよねえ・・・
で、こんな感じの不本意な2度と会えない別れを
誰しも1度は経験してると思うんですよ。
そんな郷愁が妙にセンチな願望になったんかな・・・
なんて思ったりして。
まあ、もちろん、ヒグチユウコさんの描く猫たちの
愛らしさを見たら誰でもそう願うわな(笑)

でもね、やっぱりこの終わり方でいいんですよね。
読んだ人全員が、「ねこ」が「顔見知りの犬」と
「優しそうな飼い主」に病院に連れて行ってもらって
元気になって、家族の一員になって、幸せになって、
時々ニャンコの事を懐かしく思い出す・・・そんな
未来を祈って、確信しているはずですもんね。

そして、この切ない余韻こそが「ふたりのねこ」を
「ヒグチユウコのイラストに文字がついてる絵本」
で終わらせなかった勝因であろう。と、調子こいて
締めくくりつつ、次回後編はニャンコが本物の猫に
なりたと願い奔走する中で様々な出来事や出会いを
通じ、これまた少し成長するお話、
「せかいいちのねこ」の紹介へと続きます。

(つづく)












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